金利上昇時代の住宅ローンの正解 子どもを持たない共働き夫婦が変動か固定かで迷わないために
2026年6月、日本銀行は政策金利を約31年ぶりの水準となる1.0%へ引き上げました。いまネットを開けば、かつてないほど多い「変動金利上昇」「フラット35上昇」の見出し。自分の住宅ローンのニュースを開くだけで、何だか胃のあたりが重くなる----そんな感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか。住宅金融支援機構によれば、変動金利型は今後も年0.25%程度上昇する見通しで、ESPフォーキャスト調査(2026年6月・中央値)では2027年半ばに政策金利が約1.6%へ到達する見込みとされています。本記事では、子どもを持たない(持たない予定を含む)共働き夫婦が、新しい世界で後悔しない住宅ローンの答え合わせをするための "順番" をお伝えします。
視点① 「変動か 固定か」は、決める順番を間違えると間違える
変動金利型は将来金利が上がれば返済額が増えるリスクがあり、全期間固定金利型(フラット35等)は借入時に返済終了までの金利が確定します。子どもを持たない共働き夫婦は、教育費のピークがなく、2人とも定年まで共働きを続ける前提が組みやすい----つまり変動金利に挑戦しやすい立場です。住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2025年10月)」では、変動金利型利用者の53.5%が金利変動リスクに対し不安を感じている、と出ています。だからこそ「2人で何歳まで働きたいか/働き続けられるか」を話し合わずに、金利タイプだけ選ぶのは一番の落とし穴です。"金利を決める前に"キャリアの絵を描く。これが、共働き家庭特有の順番です。
視点② 「収入合算」と「ペアローン」は、取り違えると数百万円が消える
配偶者の収入を借り入れる側に合算する「収入合算(連帯債務型/連帯保証型)と、夫婦それぞれが債務者として2本のローンを結ぶ「ペアローン」は、組み方で総返済額も税の扱いが変わります。ペアローンは「住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられる」「団信に2人加入できる」がメリット。一方で、ペア連生団信を提供している金融機関が限られる点、組合せて組むと税務面で想定外の課税リスクが生まれうる点が注意点です。「どちらか1人が働けなくなった場合の返済余力」「2人が並走して働き続けられる期間」を基準に、無理なく完済できる借入額から逆に逆算するのが、後出しのない選び方です。
視点③ 団信は "金額" ではなく "範囲" を揃える
団信(団体信用生命保険)は、加入者に万が一があったときに住宅ローンの残債を弁済する保険。変動か固定かとは独立した、「生命のリスク」への備えです。保障内容(がん特化型のワイド団信など)、加入時の健康審査、保険料が金利に上乗せされる方式か----といった "範囲" を、夫婦で揃えておきたいところ。子どもを持たない夫婦は、万一どちらか1人になった場合の固定費の重さが、子育て世帯より大きくなりがちです。保障の "不足" がないかを、必ず確認しておきたいポイントです。
2026年8月時点の制度チェックリスト──"知らなかった" で大損しないために
住宅ローン減税の適用期限は5年延長
住宅ローン減税は令和8年度税制改正で適用期限が5年延長され、令和12年12月31日までに入居すれば対象です。
新築の借入限度額(4,500万円/5,000万円)
新築の借入限度額は省エネ基準適合住宅で原則4,500万円、長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅では上乗せ措置があります。子育て世帯・若者夫婦世帯(※制度上は夫婦のいずれかが39歳以下等に該当する世帯を指します)では5,000万円まで引き上げられるため、ご夫婦の年齢がこの定義に当てはまるかは事前にご確認ください。
省エネ基準適合は契約前の必須確認
令和10年6月30日までに建築確認を受けた新築住宅は省エネ基準適合が減税要件となるため、特に共働きで「家は性能で選びたい」と考えるご家庭は、この条件を契約前に満たす物件か必ずチェックしておきたいところです。
最後に──"決める順番" だけ覚えて帰ってください
DINKSの住宅ローンは、①2人のキャリア設計 → ②無理のない借入額 → ③変動/固定および借入方式(連帯債務/連帯保証/ペアローン) → ④団信内容 という順番で考えると後悔しません。
2026年は変動・固定ともに金利上昇局面の入口です。国土交通省のリーフレット「住宅ローンの常識が変わる!?」も公開されているので、契約前のチェックリストとしてご活用いただけます。"誰かに決めさせられた" ではなく、 "2人で決められた" 住宅ローンになるよう、一緒に考えていきましょう。
