突然の停電、その夜に慌てないための家づくり
夏の夕方、突然の大雨とともに電気が消えたら。スマートフォンの充電は足りるか、冷蔵庫の食材はどうするか、暑い夜をどう過ごすか――そんな場面を想像したことはありませんか。
いま家づくりで注目したいのが、災害や停電などの「いつも通りではない時」に、暮らしを立て直しやすくするレジリエンス住宅です。レジリエンスとは、困難な状況から回復する力のこと。名古屋市で家を考えるなら、設備を増やす前に、土地・室温・電気・水・食料をどう備えるかを整理することが大切です。
この記事のポイント
- レジリエンス住宅は、災害を完全に防ぐ家ではなく、暮らしを立て直しやすくする住まいです。
- 設備より先に、建てる場所の災害リスクと避難先を確認します。
- 断熱、電気、備蓄を、日常の暮らしの動線に組み込むと続けやすくなります。
「もしも」を、いつもの暮らしに織り込む
レジリエンス住宅というと、太陽光発電や蓄電池を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん電気を確保する仕組みは有効です。ただし大切なのは、停電時に家のすべてを動かそうとすることではありません。照明、冷蔵庫、通信、夏なら一室の冷房など、ご自身・ご家族にとって優先度の高いものを決めておくことです。
土台になるのは、建物そのものの性能です。断熱や日射遮蔽(窓から入る強い日差しを外側で抑える工夫)を整えると、冷暖房を止めた直後にも室温が大きく変わりにくい住まいを目指せます。2025年4月には、原則すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合を求める制度が施行されました。[1]
ご注意:避難情報が出たときに危険な場所にいる場合は、設備の有無にかかわらず、自治体の情報に従い安全な場所へ避難してください。

設備を考える前に、まずは建てる土地のリスクと避難先を確認しましょう。
設備の前に、土地の「地図」を読む
同じ設備でも、土地が変われば備え方は変わります。名古屋市の「なごやハザードマップ」では、想定最大規模の洪水、内水氾濫、高潮に加え、地震や津波などの情報を確認できます。[2] 土地を検討するときは、住所だけを見て安心・不安と決めつけず、浸水の可能性、避難先までの経路、周辺の高低差を確かめましょう。
雨水が集まりやすい場所なら、敷地内の排水や屋外収納の位置を早い段階から検討できます。玄関まわりに何を置かないか、室外機や給湯設備をどこに置くかも、日常の使い勝手と切り離せません。気になる土地のハザードマップを、住宅会社との打ち合わせに持参すると、配置計画の会話が具体的になります。
いざという時、家で守りたい3つのこと
1.まず「過ごす一室」を整える
家全体を快適に保とうとすると、設備も費用も大きくなります。まずはLDKなどを、夏の強い日差しや冬の冷えの影響を受けにくい場所として考える方法があります。窓の向き、軒、外付けブラインド、風の通り道を敷地に合わせて検討しましょう。
2.必要な電気を先に決める
太陽光発電や蓄電池を検討するときは、容量の数字を比べる前に、停電時に使いたい家電を書き出します。名古屋市は、住宅用太陽光発電の自立運転用コンセントの容量を1,500W上限と案内しています。夜間は使えず、雨天・曇天時には出力も低下します。[3]
蓄電池を含め、使える電気の量・時間・場所は、天候、容量、接続方式、消費電力、機器の仕様で変わります。契約・設計時に、停電時に電気を使える場所と操作方法を確認することが大切です。
3.備蓄を「見える場所」に置く
飲料水、食品、非常用トイレ、カセットコンロ、モバイルバッテリーなどは、キッチン近くや玄関収納に定位置をつくると、普段の確認と補充を続けやすくなります。

「しまい込む備え」から、「使いながら保つ備え」へ。
備蓄は、しまわない。使いながら保つ
防災用品は、押し入れの奥では役に立ちにくいものです。食品は最低3日分、できれば1週間分を目安に。飲料水は1人1日おおよそ3Lを目安に、人数と日数に合わせて用意します。[4] 乳幼児、高齢の方、アレルギーや持病のある方は、各人に合う食品を多めに備えることも大切です。
おすすめは、少し多めに買い、古いものから食べ、使った分を補充する「ローリングストック」です。備蓄を特別な作業にせず、いつもの買い物と家事の動線に組み込めます。
打ち合わせで聞くべき、5つの質問
レジリエンス住宅は、設備がある・ないだけで決まるものではありません。住宅会社との打ち合わせでは、次の質問から始めてみてください。
- 建てる土地では、どの災害リスクと避難先を確認すべきですか。
- 停電時、ご自身・ご家族が過ごす場所はどこにしますか。
- 優先して使いたい電気は何ですか。また、どれくらいの時間を想定しますか。
- 水・食品・非常用トイレなどは、取り出しやすいどこに置きますか。
- 入居後、家族で確認する操作や避難のルールは何ですか。
「安心」は、いつもの動線から生まれます
暑い日も、雨の強い日も、もしもの停電時も。落ち着いて次の行動を選べるように、土地を知り、住まいの性能を整え、必要な電気と備蓄の場所を決めておくこと。それが、暮らしの回復力につながります。
名古屋市南区で地域密着の家づくりを続けるNKT HOME(エヌケイティホーム)では、土地探しから資金計画、住まいの性能や暮らし方まで、まとめてご相談いただけます。
参考情報・出典
- 国土交通省「令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます!!」
- 名古屋市「なごやハザードマップ」
- 名古屋市「停電時における住宅用太陽光発電設備の自立運転機能」
- 政府広報オンライン「今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方」
ご注意:本稿は一般的な情報です。実際の災害時は、自治体の避難情報や気象情報に従い、危険な場所にいる場合は速やかに安全な場所へ避難してください。設備の仕様・設置可否・費用は、敷地条件や商品により異なります。
