なぜ、見積り2,000万円の家が「実は3,000万円近く」になるのか?

「坪単価50万円」「建築費2000万円」----家づくりの検討を始めると、こうした数字を目にする機会が増えます。

しかし、実はこれらの数字が示しているのは、建物本体の工事費だけ。家を完成させて、そこに住み始めるまでには、見積もりに載っていない費用が多く発生することをご存知でしょうか?

予算オーバーで急に資金が足りなくなる----そんな事態を避けるために、今回は「見積もりの外側にある費用」について、正直にお伝えしたいと思います。

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建築費用の全体像を知る

まず、住宅建築にかかる費用がどのように構成されているか、大きな枠を理解することが大切です。

国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によると、注文住宅で土地も同時に購入した場合の建築費用は平均5,436万円とされています。

この費用は以下の4つに分けられます。

① 土地代
まず、土地購入時には土地代そのものだけでなく、多くの付帯費用が発生します。不動産仲介手数料、印紙税、そして不動産取得税----こうした諸費用を合わせると、相当な金額になります。

② 本体工事費
基礎、柱、梁などの構造部分から、内外装、設備機器まで、建物本体を建築するための費用です。一般的に、この本体工事費は総予算の約70%を占めるとされています。

③ 付帯工事費(別途工事費)
ここからが重要です。多くの人が見落とすのが、この「付帯工事費」です。付帯工事費は、住宅を建築する際に土地に古家がある場合にかかる解体費用、駐車場や庭の造成工事、屋外給排水工事や上下水道引き込み工事、外堀工事や地盤補強工事、ガス工事や電気設備工事、エアコン設置工事など多岐にわたり、費用は総費用の約20%程度が目安とされています。

④ 諸費用
登記費用、住宅ローン関連の手数料や保証料、火災保険料、そして引っ越し費用や家具・家電の購入費----こうした項目です。諸費用は原則として住宅ローンの融資対象に入らないため、自己資金で賄うか、別途諸費用ローンで借り入れる必要があることに注意が必要です。


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見積もりに掲載されない費用 TOP5

では、実際にはどのような費用が見積もりの外側で発生するのか? 工務店として35年、多くのお客様の家づくりに携わってきた経験から、よくある費用をお伝えします。

1. 地盤調査・地盤改良費

どれほど立派な家を建てても、基礎となる地盤が弱ければ、その家は安全ではありません。

地盤調査は、新築住宅では実質的に必須となっていますが、調査結果によっては地盤改良工事が必要になります。地盤が弱い場合、地盤改良費は数十万円から、場合によっては100万円を超えることもあります。

これは土地ごとに異なる結果が出るため、事前には正確な金額が分かりません。だからこそ、予算計画の段階で「地盤改良の可能性」を想定しておく必要があります

2. 解体費用と造成費用

「古い家が建っていた土地を使う」「道路より低い位置にある土地」----こうした場合、別途費用が発生します。

既存建物の解体費用は、建物の規模や構造によって大きく異なります。また、敷地が道路より低い場合は、宅地として機能するように高さを調整する造成工事が必要になり、これも相応の費用がかかります

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3. 外構工事と造園工事

家本体の見積もりには、塀や門、駐車場、庭の整備などの外構工事が含まれていないことがほとんどです。

「最低限のコンクリート駐車場だけ」という選択肢もありますが、住み心地や将来のメンテナンスを考えると、適切な外構計画が必要です。これには数十万円から数百万円の幅があります

4. 電気・ガス・水道の引き込み工事

敷地に隣接する道路に、すでに電気・ガス・水道が来ているとは限りません。

特に少し距離がある場合や、地下埋設のやり直しが必要な場合は、この費用が予想以上に膨らむことがあります。引き込み工事の距離や難易度によっては、数十万円必要になることもあります。

5. カーテン・照明・家具・家電の購入費

「新しい家だから、インテリアも全部新しくしたい」----その気持ちはよく分かります。

しかし、カーテンレール、カーテン、照明器具、エアコン、そして新生活に必要な家具・家電。これらの合計は、予想以上に大きな金額になります。新築の家に住み始めるには、これらが欠かせないものばかりです。


見落としやすい、でも大切な費用
火災保険料

住宅ローンを組む場合、ほぼすべての金融機関が火災保険への加入を条件としています。火災保険料は建物の構造や所在地、補償内容によって異なり、相場は幅広いものの、新築住宅で基本的な補償をつけた場合、数年分をまとめて支払う必要があります。

予算計画の段階で「保険料がいくらになるか」を確認しておくことが重要です。

登記費用と印紙代

建物が完成したら、所有権保存登記をしなければなりません。また、工事請負契約書や住宅ローン契約書に貼る印紙代も、見落としやすい費用です。

引っ越し費用

新築に引っ越すまでの仮住まい費用、引っ越し業者への支払い、旧住宅の解約時の費用----これらも家づくりの総コストに含まれます


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予算計画を立てるときの心得

ここまで見てきた通り、「家を建てる」というのは、建物本体を建築する費用だけでは完結しません。

実際の建築では、見積もり段階では予測できなかった費用が発生することが少なくありません。

だからこそ、私たちがお勧めするのは:

1. 総予算を最初に決める
「建物にいくら使うか」ではなく、「全体でいくら必要か」を逆算する。

2. 余裕を持つ
予算の10~15%は、予期しない費用のための予備費として確保する。

3. 工務店に相談する
敷地条件が分かった段階で、見積もり以外にどんな費用が発生する可能性があるのか、遠慮なく相談してください。私たちは、その土地特有の費用項目を知っています。

4. 火災保険など、早めに相談する
保険料やローン関連費用は、事前に複数の金融機関に相談して、正確な金額を把握することが大切です。


最後に

家づくりで「予算オーバー」が起きるのは、工務店の見積もりが不正確だからではなく、ほとんどの場合「見積もりの外側にある費用」に気づいていないからです。

それは決して、隠された費用ではなく、その土地、その家族の条件によって変わる「個別の費用」だからです。

だからこそ、家づくりの最初の段階で、「本当にかかる費用」について、建築会社と一緒に丁寧に確認することが何より大切です

不安なことがあれば、いつでも相談してください。正直に、すべての費用についてお話しします。それが、私たちの35年の約束です。

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出典・参考資料

※1:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001767858.pdf

※2:Recruit 金融「はじめての住宅ローン」
https://finance.recruit.co.jp/article/b070/

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