2026年、若い夫婦が「広いLDK」より欲しい間取り

平日の朝、出かける準備をしながら洗濯機を回す。片方は在宅会議の支度、もう片方はコーヒーをいれている。夜は帰宅時間が少しずれ、休日には友人を呼んだり、二人で静かに映画を見たりする。若い夫婦の暮らしは、同じ屋根の下にいても、いつも同じリズムとは限りません。

そんな二人が家づくりを始めると、最初に出てきやすい希望が「広いLDK」です。もちろん、みんなで過ごせる空間は魅力的です。ただ、2026年の間取り選びで注目したいのは、帖数だけではありません。忙しい平日を少し軽くする場所と、二人が無理なく距離を選べる場所です。

全国の賃貸・実家居住者を対象にした2026年の調査では、戸建てで採用したい間取りとして、ウォークインクローゼットが44.0%、室内干しを含むランドリールームが41.9%、洗面所と脱衣所の分離が32.0%という結果でした。これは全国調査の一つの傾向に過ぎませんが、「見栄えのよい一室」よりも、毎日の動きを整える小さな場所に関心が集まっていることを考えるヒントになります。

この記事の結論
  • 人気の間取りは、特定の部屋を増やすことではありません。
  • 帰宅後・洗濯後・一人になりたい時の「余白」を考えます。
  • 流行は候補にとどめ、今の平日と5年後の暮らしを行き来して選びます。

いま若い夫婦に響く、三つの"小さな場所"

1.帰宅後の3分を整える、洗面と収納の近さ

玄関からリビングへ入るまでの短い時間に、鍵、バッグ、上着、手洗い、郵便物が集中します。この動きがスムーズになると、帰宅直後の「とりあえずテーブルに置く」が減りやすくなります。

たとえば、玄関の近くに手洗いができる場所を設け、その先に上着やバッグの定位置を考える方法があります。洗面所と脱衣所を分ける間取りも、誰かが入浴中でも別の人が身支度をしやすい、という発想につながります。ただし、洗面・脱衣を分ければ必ず便利になるわけではありません。廊下の広さ、扉の開き方、洗濯機の位置まで含めて、二人が同じ時間に動いた時、ぶつからないかを図面で想像してみましょう。

玄関近くの洗面と収納を、若い夫婦が自然に使っている、帰宅後の動線のイメージ。

帰宅後の短い動きを、間取りで少し軽くします。

2.洗濯を"部屋"にしない、ランドリーの使い方

ランドリールームと聞くと、広い専用室を思い浮かべるかもしれません。しかし、若い夫婦の暮らしに必要なのは、必ずしも大きな部屋ではありません。「洗う」「干す」「しまう」の間に、衣類が何度も移動しないことが大切です。

室内干しをする場所、タオルを置く棚、ハンガーのまましまう衣類の場所。この三つが遠すぎなければ、コンパクトなスペースでも家事の途中で止まりにくくなります。共働きで夜に洗濯をするなら、LDKからの音や見え方も確認したいところです。人気の名前だけを採用するのではなく、「洗濯物が最後にどこへ着地するか」から逆算すると、二人らしい答えが見つかります。

室内干し、洗濯機、衣類収納が近くにまとまった、コンパクトなランドリー空間のイメージ。

ランドリーの広さより、洗濯物が終点まで進む流れを考えます。

3.一緒にいるための、ひとり用の余白

同じリビングにいても、片方は動画を見たい、片方は読書や仕事をしたい。そんな時に活躍するのが、大きな個室ではなく、小さなカウンターや窓辺のベンチ、半畳ほどのこもれる場所です。ここでは「ヌック」という言葉を目にすることがあります。ヌックとは、部屋の隅や階段下などにつくる、落ち着ける小さな居場所のことです。

若い夫婦の間取りでは、リビングを広く一体にするだけでなく、視線を少し外せる場所をつくる考え方が似合います。趣味の道具を一時的に広げる、オンライン会議をする、来客中に少し休む。用途を一つに決めすぎないことがポイントです。"一人になれる場所"は、二人が心地よく一緒にいるための場所でもあります。

リビングの一角にある小さなカウンターと窓辺の居場所で、夫婦が別々の時間を心地よく過ごすイメージ。

同じ空間にいながら、それぞれの時間も守れる小さな場所です。

二人の暮らしでは、LDKを「いつも同じ使い方をする大きな部屋」と考えなくても構いません。平日の夜はそれぞれのことをし、休日は一緒に料理や映画を楽しむ。家具の配置を変えやすい余白や、コンセントの位置、照明を使い分けられるかまで見ておくと、同じ広さでも過ごし方の選択肢が増えます。流行の写真を見た時は、見た目だけでなく、そこで過ごす平日の夜を重ねて想像してみましょう。

人気の間取りを、5年後にも好きでいられる形にする

流行を見ていると、「今の自分たちにはこれが必要」と思える場面がたくさんあります。一方で、注文住宅は長く暮らす場所です。転職、在宅勤務、子どもの誕生、親の来訪、趣味の変化など、数年後の暮らしをすべて当てることはできません。

そこでおすすめしたいのが、最初から用途を固定しすぎないことです。たとえば、二人用のワークカウンターを将来は子どもの学習スペースにする。今は開いた一室を、必要になったら家具や間仕切りで区切れるようにする。棚板の高さを変えられる収納にして、衣類以外も置けるようにする。これは「可変性」のある間取りと呼ばれる考え方です。可変性とは、家族構成や働き方の変化に合わせて、部屋や収納の使い方を変えやすくしておくことです。

可変性は、何でもできる曖昧な空間をつくることではありません。「今は何に使い、変わったらどう使うか」を二通りくらい考えておくことです。図面を見る時は、今の家具を置いた場面だけでなく、五年後の平日の夜を一度想像してみてください。

流行を自分たちの間取りに変える、三つの質問

打ち合わせで人気の設備や事例を見たら、すぐに「採用します」と決めなくても大丈夫です。二人で次の三つを話してみてください。

  1. それがあると、平日の何分が楽になりそうですか。
  2. 片方だけでも使いやすいですか。二人同時ならどう動きますか。
  3. 五年後、別の使い方をするとしたら何ですか。

この質問に答えられると、SNSで見つけた憧れが、二人の暮らしに合う要望へ変わります。反対に、答えが見つからないものは、今すぐ造り付けにしなくてもよいかもしれません。家具で試せるもの、住みながら決められるものもあります。

「月曜日の朝に合う?」から始める家づくり

名古屋市南区で地域密着の家づくりを続けるNKT HOME(エヌケイティホーム)では、人気の間取りをそのまま当てはめるのではなく、土地の条件、日当たり、予算、ご夫婦の平日と休日の過ごし方を伺いながらご提案しています。2026年の流行を見つけたら、「これ、私たちの月曜日の朝に合う?」と聞いてみてください。その答えが、長く好きでいられる間取りの入り口になります。

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参考情報・出典
  1. 株式会社一条工務店「理想の戸建て住宅に関する意識調査 2026」

ご注意:本稿は、人気の間取りを検討するための一般的な情報です。間取りの実現可否、必要面積、建築費、性能は、土地・建物・法規・家族構成・予算・仕様によって異なります。

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