片づけても散らかる家、原因は「収納の量」ではありません

夕方、家族が帰ってくる時間。ランドセル、仕事用のバッグ、郵便物、上着、買い物袋。ひとつひとつは小さくても、置き場所が決まっていなければ、ダイニングテーブルやソファの脇に少しずつ集まっていきます。「週末にまとめて片づけよう」と思っても、次の週には同じ景色に戻っている――そんな経験はないでしょうか。

ここで見直したいのは、収納の広さだけではありません。大切なのは、使ったものを無理なく元の場所へ戻せることです。名古屋市で注文住宅を考える方に向けて、暮らしの節目で家を整え直しやすい「リセット収納」の考え方をご紹介します。

この記事のポイント
  • 片づきやすさは、収納の面積だけで決まりません。
  • 帰宅後、食事後、洗濯後の「散らかる場面」から考えます。
  • 家族にとって続けやすい、物の戻し方を決めます。

収納があっても片づかない、本当の理由

収納計画では、つい「何帖の収納が必要か」を考えがちです。もちろん容量は大切です。しかし、奥行きの深い収納に物を重ねて入れたり、使う場所から遠い収納へ運んだりすると、戻す行動が後回しになりやすくなります。

たとえば、玄関に置きっぱなしになりやすい物は、玄関からリビングまでの途中に居場所があると戻しやすくなります。洗濯物も、干す場所・取り込む場所・たたむ場所・しまう場所が離れすぎると、途中の椅子や床が「仮置き場」になりがちです。

つまり、片づく家は、物を隠す場所が多い家ではありません。使う場所の近くに、戻す場所がある家です。収納の扉を開ける、ハンガーに掛ける、棚へ置く。その一連の動きが少ないほど、家族それぞれが続けやすくなります。

玄関で子どもがランドセルを棚へ置き、親がバッグを定位置へ戻している、整った帰宅動線のイメージ。

「ただいま」の直後に、物の帰る場所をつくることから始めます。

まずは「散らかる3場面」を書き出してみる

間取りの打ち合わせでは、理想のLDKや寝室の広さに目が向きます。その前に、今の住まいで散らかりやすい場面を三つだけ書き出してみてください。具体的な場面が見えると、必要な収納も見えてきます。

1.帰宅後:玄関に「置く・掛ける・しまう」をつくる

帰宅動線では、靴、上着、バッグ、鍵、郵便物が主役です。土間収納や玄関収納を考える際は、靴の数だけでなく、雨具、ベビーカー、外遊びの道具、非常用持ち出し品なども含めて考えます。すべてを玄関に集める必要はありません。家族がリビングへ進む途中に、上着を掛ける場所やバッグの定位置をつくる方法もあります。

ポイントは、「一時置き」も最初から設計することです。鍵や宅配便の受け取り品を、床や食卓に置かなくて済む小さな棚があるだけでも、玄関まわりの印象は変わります。

2.食事後:ダイニングを"物置"にしない

ダイニングテーブルは、家族が集まるぶん、書類や充電器、薬、子どもの工作なども集まりやすい場所です。テーブルのすぐ近くに、日常使いの書類、文具、充電器をまとめる浅めの収納があると、食後の数分で天板を戻しやすくなります。

ダイニング近くの浅い収納に、書類、文具、充電器を無理なく戻せるリセットステーションのイメージ。

ダイニングの近くに、日常品の「大まかな住所」をつくります。

ここで注意したいのは、収納を細かく決めすぎないことです。家族全員が使う物は、分類を増やしすぎると続きません。「文具」「充電」「学校・仕事」「一時置き」のように、まずは大まかな住所をつくるのがおすすめです。

3.洗濯後:しまう場所から逆算する

洗濯では、洗う・干す・取り込む・たたむ・しまうという行動が続きます。ランドリールームをつくるかどうかだけでなく、衣類を最終的にどこへ戻すかを先に決めましょう。家族それぞれの衣類を各部屋へ運ぶのか、ファミリークローゼットにまとめるのかで、必要な位置と大きさは変わります。

洗濯物をたたむことが負担なら、ハンガーで掛けて収納する衣類を増やす考え方もあります。暮らし方に合わない「正解」を選ぶより、家族が続けられる戻し方を選ぶことが、長く整う住まいにつながります。

室内干しスペースと家族用クローゼットが近く、洗濯物をハンガーのまま収納できる家事動線のイメージ。

洗うところではなく、「しまうところ」から洗濯動線を考えます。

「全部しまう」より、残したい余白を決める

収納を増やせば片づくとは限りません。「念のため」と収納面積を広げるほど、LDK、廊下、窓まわりなど、本来ゆったり使いたい場所とのバランスも変わります。まずは家族の暮らしで何を見せたいか、何を隠したいかを話してみましょう。お気に入りの本や器、子どもの作品のように、あえて見える場所に置きたい物もあります。

造り付け収納は、変えにくい場所にこそ役立ちます。一方で、家族構成や働き方で使い方が変わりやすい場所は、可動棚や家具を置ける余白を残す方法もあります。今ある物をすべて数える必要はありません。「毎日使う」「週に一度使う」「季節ごとに使う」の三つに分けるだけでも、収納を近くに置くべき物と、少し離れていてもよい物が整理しやすくなります。

打ち合わせで使える、4つの質問

収納計画で迷ったら、住宅会社に次のように聞いてみてください。

  1. 帰宅後、家族が最初に置く物は何で、どこに戻すと続けやすいですか。
  2. ダイニングに集まりやすい物の「住所」は、どこにつくれますか。
  3. 洗濯物をしまうまでに、何回移動する計画ですか。
  4. 子どもの成長や働き方の変化で、収納の使い方を変えられますか。

片づけの正解は、家族の数だけあります

SNSで見る整った収納を、そのまま自宅に当てはめる必要はありません。小さなお子さまがいる時期、在宅勤務が多い時期、親との同居を考える時期など、必要な物も戻し方も変わります。だからこそ、新築時には造り付け収納を増やすだけでなく、棚板の高さを変えられるか、将来置く家具の場所を残せるかも確認しておくと安心です。

名古屋市南区で地域密着の家づくりを続けるNKT HOME(エヌケイティホーム)では、収納だけを切り取るのではなく、土地、間取り、ご家族の一日の流れまで伺いながらご提案しています。「片づけなければ」と追われる毎日から、「自然と戻せる」暮らしへ。まずは今の家で散らかりやすい場面を三つ、見つけるところから始めてみませんか。

家づくり気軽な相談会を見る

参考情報・出典
  1. 国土交通省「長期優良住宅のページ」
  2. 資源エネルギー庁「省エネ住宅」

ご注意:本稿は、収納・間取りを検討するための一般的な情報です。必要な収納の大きさ、使い勝手、設置費用は、敷地条件、建物、ご家族の構成、所持品により異なります。

メニュー